53歳の女性です。
医療機関で腰部粉瘤と診断され、4週間前に切除術を受けていました。
術後、込めガーゼを創部に挿入、交換を連日受けていたそうです。
傷からの膿性の滲出液が止まらず、改善が認められないため、当院を受診されています。
大きさ36ミリの皮下腫瘍と直上に切開創があり、超音波検査では被膜を有する嚢胞性病変がありました。
粉瘤残存と診断、紡錘形切除をすると、後壁に粉瘤の角質と被膜が脂肪組織に強固に癒着していました(術中1、2 矢印)。残存粉瘤を完全切除して(術中3)、縫合しました。
術後経過は良好で4週目で治癒しました。
込めガーゼは滲出液のドレナージにはある程度有効ですが、粉瘤が残存していると治癒することはありません。追加切除が有効な症例でした。
術前 超音波検査 術中1 術中2 術中3 術中4
術後1日 術後2週間 抜糸後 術後4週間